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「これからも今まで通り、木曜日ここに来てもいい?」
忍くんがボーッとしているので、私は姿勢を正して改めて彼にそう尋ねた。
少し下から顔を覗き込むような仕草をすると、彼はハッと我に返ったようにパチパチと瞬きを繰り返した。
「えっ……ホントに……来てくれるの?」
「………うん」
「………毎週?」
「忍くんさえよければ」
「────そりゃ、俺はもちろん」
そこで忍くんは言葉を止め、困惑を顕にして後頭部を軽く掻いた。
「なんか……びっくりした……」
まだどこかふわふわした様子で、忍くんはぼんやりと呟く。
あんまりにも彼が驚いているその様子を見て、私は逆に不思議に思って首を傾げた。
「なんでそんなにびっくりするの?」
「………そりゃ、だって。嫌な思いばっかりさせてるから……。今日ここに来てくれたこと自体、奇跡みたいに思ってたし。……ましてや今日もまた、訳わかんないことになっちゃったし……」
「それは、まぁ…。予想外ではあったけど。……でも私、さっきちゃんと言ったでしょ? 木曜日ここに来るの、楽しみに思ってるって」
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