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ギクッと肩が大きく揺れ、私は弾かれたように背後を振り返った。
忍くんの顔を見た瞬間、カアッと顔に熱が走る。
私の顔を見下ろしていた忍くんは、少しびっくりしたように目を見張った。
「どしたの? 暑い?」
「………え」
「顔、赤いけど」
持っていたお盆をテーブルに置き、忍くんは座っている私の目線に合わせるように膝を折った。
不思議そうに私の顔を覗き込む。
「もしかして、酔った? ……でも、まだそんな飲んでないよね」
「あ……うん」
「大丈夫? 体調よくないとか」
忍くんの顔にも声にも、心配の色が滲んでいた。
確かに、私はまだ缶ビール1本しか空けてなくて、アルコールに強いって聞いていた忍くんにはちょっと意外だったらしい。
………もちろん、顔が赤い理由は酔ったせいなんかじゃなくて。
私は焦って、誤魔化すように手を左右に振った。
「平気平気。ちょっと暑いだけ」
「ホントに? ドルチェ、食べれる?」
「うん、もちろん」
笑って頷いた後で、私は気持ちを切り替える為に一度小さく息をついた。
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