otto-2

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ギクッと肩が大きく揺れ、私は弾かれたように背後を振り返った。 忍くんの顔を見た瞬間、カアッと顔に熱が走る。 私の顔を見下ろしていた忍くんは、少しびっくりしたように目を見張った。 「どしたの? 暑い?」 「………え」 「顔、赤いけど」 持っていたお盆をテーブルに置き、忍くんは座っている私の目線に合わせるように膝を折った。 不思議そうに私の顔を覗き込む。 「もしかして、酔った? ……でも、まだそんな飲んでないよね」 「あ……うん」 「大丈夫? 体調よくないとか」 忍くんの顔にも声にも、心配の色が滲んでいた。 確かに、私はまだ缶ビール1本しか空けてなくて、アルコールに強いって聞いていた忍くんにはちょっと意外だったらしい。 ………もちろん、顔が赤い理由は酔ったせいなんかじゃなくて。 私は焦って、誤魔化すように手を左右に振った。 「平気平気。ちょっと暑いだけ」 「ホントに? ドルチェ、食べれる?」 「うん、もちろん」 笑って頷いた後で、私は気持ちを切り替える為に一度小さく息をついた。  
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