otto-2

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「あの……なんか素人が偉そうに、ごめんなさい」 難しい顔をして考え込んでしまった忍くんの顔が少し怖くて、おそるおそる謝ると。 忍くんはハッと顔を上げ、慌てたように首を横に振った。 「いや、全然。むしろ助かる」 「………ホントに?」 「うん。だってそういう意見聞きたくて、真白さんに試食頼んでるんだし」 そう言って忍くんは表情を和らげたけど、すぐにまた眉間に皺を寄せて困ったような顔になった。 「確かに今回は見た目重視だったけど……。そっか、難しいな……」 「あ、味はどれも美味しかったよ、全部」 「ん。でもやっぱり、総合でも100点じゃないと」 溜め息混じりに呟いたあと、忍くんは腕組みを解いてテーブルに頬杖をついた。 そうして私の顔を見ながら、少し含みのある笑い方をした。 「でも、助かった。そういうの、俺だけじゃ絶対わかんなかった」 「………お役に立てたんなら、光栄です」 「真白さんも、やっぱり女の子だね」  
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