otto-3

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「な、なんか、責任重大だよね。……いいのかな、私なんかがそんな大役……」 「……ああ。もちろん、あくまで参考にするってだけだから」 「………うん」 「あんまり気負わないで、素直な感想聞かせて」 そう言って小さく笑うと、忍くんは軽く手を上げた。 「………じゃあ、帰るね。おやすみ」 「あ、う、うん。……おやすみなさい」 バイバイ、と手を横に振って、忍くんは元来た道に向かってクルリと踵を返した。 私はその場に佇み、じっとその後ろ姿を見送る。 角を曲がって忍くんの姿が見えなくなった瞬間、私の口から無意識にハア~っと大きな溜め息が零れた。 (何だか……怒濤の1日だった……) 一気に疲れと寒さに襲われて、私はブルッと身を震わせる。 門に手をかけた瞬間、さっき感じた膝の痛みが無くなっていることに私は気が付いた。 「……………」 同時に忍くんに抱かれた肩が、少し熱を持つ。 ────透さんに対する罪悪感が、全くない訳ではなかったけど。 今はただ……また恋が出来たっていう事実を素直に喜ぼう…って。 忍くんの温もりが残る肩をそっと押さえながら、私はそう思った。  
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