nove-2

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初めて交わした、忍くんとのキスは。 軽く唇が触れただけの、一瞬だけのものだった。 「……………」 忍くんの気配が少し遠ざかったのを感じて、私はそっと目を開ける。 まだ近いところにあった忍くんの瞳とぶつかり。 「………ふっ」 「ふふっ」 照れて、私達は同時に笑ってしまった。 さすがにファーストキスの時ほどのドキドキはなかったけど。 大好きな人と触れ合う喜びとか、トキメキとか、そういったものが7年ぶりに思い起こされて。 ………私は、もっともっと、忍くんと触れ合いたいと感じていた。 「……………」 その気持ちが通じたのか、忍くんも同じように感じてくれたのかはわからないけど。 スッと笑いを収めた忍くんに、グイッと腕を引かれた。 彼の胸に倒れ込み、意表を衝かれた私は驚いて彼の顔を見上げる。 「………何度も何度も、夢に見たよ」 私の頬に触れながら、忍くんがそう呟いた。 私の顔を見下ろす忍くんの瞳が、また大きく揺れる。 「一生、夢から抜け出すことなんかないと思ってた……」 「……………」 「………傍にいても、ずっと遠くに感じてた」  
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