nove-2

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「………ごめん。……怖がらせた?」 耳元で囁かれて、私の心臓がドクンと跳ね上がる。 今更ながらドキドキしてきて、私は小さくその場で首を横に振った。 「怖くなんか、ないよ。……でも」 それ以上何を言っていいのかわからなくなり、私は口を噤む。 ………そうは言ったけど。 これ以上進んでしまうのは、やっぱりまだ、怖いと私は感じてしまっていた。 「ごめん」 忍くんはもう一度謝り、そこで私の上に重ねていた体をゴロンと横に反転させた。 真横に寝転んだ忍くんは仰向けになり、じっと天井を見上げる。 自分で拒んでしまったくせに、彼の温もりが離れてしまうと淋しくて。 私は横にいる忍くんの首に、強くしがみついた。 「………真白さん?」 少しびっくりしたみたいな忍くんの声が、頭上から聞こえてくる。 私は何も答えずに、甘えるように彼の首元に頬を押し当てた。 (…………甘い匂い………) 彼独特の、体に染み付いたドルチェの香り。 甘くて、どこか苦くて。 ────クラクラする。  
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