nove-2

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「………………」 忍くんは、サラサラと私の髪を優しく梳いてくれた。 彼の体温と、その手つきが心地よくて、私はそっと目を閉じる。 時折忍くんは、思い出したように唇を重ねてきた。 「…………ねぇ」 「ん?」 しばらく私達はそうやって、ベッドの上でじゃれあうように抱き合っていた。 ふと声をかけると、忍くんは不思議そうに私の顔を見つめた。 「………本田さんに連絡、した方がいい?」 「……………」 少し嫌味を込めた口調で問うと、忍くんはうっと言葉に詰まってゆっくりと顔を上げた。 ベッドに頬杖をつきながら、恨めしそうな目で私の顔を見下ろす。 「意地悪だね、真白さんは」 「………ふふっ」 思わず吹き出すと。 忍くんは私の腕を引いて、再びぎゅっと、私の体を強く抱きしめた。 「しなくていいよ。……俺からちゃんと、言うから」 「……………」 「真白さんは俺のだからって、ちゃんと言う」 押し当てた胸の、彼の優しい鼓動を聞きながら。 私はこくり、と小さく頷いた。 「…………うん」 忍くんの両手が私の両肩を掴んで、優しく体を引き離す。 お互いの気持ちを確かめるように頷き合ったあと。 私達は、もう一度深く唇を重ねた。  
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