dieci

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「なーんだ。結局キス止まりなの?」 仕事帰り。 久々の居酒屋女子会で昨日のことをハラちゃんに報告した私は、思っていたのと違う反応を返されてガックリと肩を落とした。 「なーんだ……って」 「だって一大事みたいな顔してさ。スゴい進展があったなんて言うから、てっきり最後までヤッちゃったのかと」 「──── 私にしては、スゴい進展だと思うんですが」 ジト目で見返すと、ハラちゃんは肩をすくめながらビールジョッキに口を付けた。 「……まあねぇ。今日び、中学生でももうちょっと早くキスぐらいはしそうだけど」 「……………」 「でも、ま、確かに。真白にしてはスゴい進展かもね。……一生恋愛しないなんて、言ってたぐらいだし」 最後は少し嬉しそうに、ハラちゃんはそう言ってくれた。 祝福してくれてるんだなってわかって、私も嬉しくなる。 「…………うん」 「いやぁ~、でもマジでよかったね。向こうの気持ちもちゃんと聞けてさぁ」 「そう、だね」 「はぁ~。まさかの、高校生の頃から好きだったってオチか~。いいなー、なんかスゴい純愛」  
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