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朝からずっと、ドクン、ドクン、って、耳の奥で鼓動がうるさい。
今日はいよいよコンペの結果発表の日で。
私は1日中、落ち着かない時間を過ごすこととなった。
連絡をくれるっていう約束はしてないけど……普通なら一報くれるよね。
………あー、でも、相手はあの忍くんだしなぁ……。
なんて、休憩の度にスマホをチェックしては、なんの着信もないことにガッカリと肩を落としていた。
そんなこんなで帰宅して、時間は既に11時。
カラスの行水みたいな入浴を済ませ、部屋でじっとスマホを片手に待機していたのだけど。
(………連絡、くれないのかなー…)
さすがにこの時間になって、緊張の糸が解けそうになってきていた。
床に座り込み、ベッドにスマホを投げてそのまま突っ伏す。
こっちから連絡しようかとも思ったけど、それも何だか気が引けるし……。
まだ、仕事が終わってないのかもしれないし……。
(メールぐらいは……くれるよね……忍くん……)
ベッドに頭を預けながら遠くに放り投げたスマホをぼんやりと見つめていた、その時だった。
そのスマホが勢いよく着信音を奏で始め、私はガバッと半身を起こした。
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