dieci

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(──── 忍くん!?) 慌ててベッドに飛び乗り、スマホを手に取る。 着信はやっぱり忍くんからで、私はもどかしいような気持ちでスマホを耳に押し当てた。 「も、もしもし…っ!!」 『──── もしもし、真白さん?』 二日ぶりの忍くんの声に、胸がきゅうっとなる。 私は乱れる呼吸を整えながら、強くスマホを握りしめた。 「うん。……お疲れ様」 『お疲れ様』 「仕事、終わったの?」 『うん。今、家に着いたとこ』 「そう……なんだ。遅くまで毎日大変だね」 『いや、もう慣れたよ。……それより、真白さんこそこんな時間に電話大丈夫?』 「ぜ、全然っ! 全然平気!」 (むしろとっても心待ちにしてましたから!) 鼻息も荒く答えると、忍くんはよかった、と言ってちょっと笑ったみたいだった。 収まっていたはずの鼓動が、またドクン、ドクンって暴れ始める。 『コンペの結果、出たんだけど』 「………うん」 『──── 選ばれた。俺のドルチェ』 「……………!」 嬉しそうな忍くんの声を耳にして、私は大声を上げそうになってしまった。  
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