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(──── 忍くん!?)
慌ててベッドに飛び乗り、スマホを手に取る。
着信はやっぱり忍くんからで、私はもどかしいような気持ちでスマホを耳に押し当てた。
「も、もしもし…っ!!」
『──── もしもし、真白さん?』
二日ぶりの忍くんの声に、胸がきゅうっとなる。
私は乱れる呼吸を整えながら、強くスマホを握りしめた。
「うん。……お疲れ様」
『お疲れ様』
「仕事、終わったの?」
『うん。今、家に着いたとこ』
「そう……なんだ。遅くまで毎日大変だね」
『いや、もう慣れたよ。……それより、真白さんこそこんな時間に電話大丈夫?』
「ぜ、全然っ! 全然平気!」
(むしろとっても心待ちにしてましたから!)
鼻息も荒く答えると、忍くんはよかった、と言ってちょっと笑ったみたいだった。
収まっていたはずの鼓動が、またドクン、ドクンって暴れ始める。
『コンペの結果、出たんだけど』
「………うん」
『──── 選ばれた。俺のドルチェ』
「……………!」
嬉しそうな忍くんの声を耳にして、私は大声を上げそうになってしまった。
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