dieci-2

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「………わかった。……約束する」 答えてもう一度私は、その場でペコッと深くお辞儀をした。 玄関のドアに手をかけたところで、真白!とお母さんに呼び止められる。 「帰ったらちゃんと、その人のこと聞かせてちょうだい」 「……………」 私は一瞬躊躇ったけれど、お母さんを見上げながら無言で小さく頷いた。 忍くんが透さんの弟だって聞いたら、二人はどんな反応をするんだろう。 なんでよりによって……って、思うだろうか。 この7年の私を、誰より一番傍で見てきたのはお父さんとお母さんだから。 やっぱり、反対されてしまうのかな……。 忍くんの家に向かって走りながら、私はそんなことを考えていた。 もし反対されたらと思うと怖いけど……いつまでも黙ってる訳にはいかないし。 それに、忍くんへの想いが真剣だからこそ。 ──── ちゃんと二人には、認めてもらいたい。 「………はあっ、……はあっ」 10分あまり走り続けて。 私はようやく、忍くんのマンションに辿り着いていた。 息を整えながら、ゆっくりと彼の家のドアを見上げる。 ここにて急に、何故か私は気後れし始めていた。  
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