第1章 日常の終わりと共に

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悪魔に飛びついて馬乗りになる。 「なっ! お前ぇ!」 悪魔の抵抗を無視して殴り続ける。 悪魔の手が地面に落ちて動かなくなった。・・・・・・終わったのか・・・・・・。 俺の頬に地面の冷たい感触が当たった。体中の力が抜けて目の前が真っ暗になった・・・・・・。 目が覚めると自分の部屋のベッドだった。 なんで俺はこんなところにいるんだ? 確か俺は・・・・・・昨日悪魔と会って・・・・・・。 部屋のドアが開いて誰かが入ってきた。 「おはよう、よく眠れたかしら?」 火野村先輩だ。なんでか知らないけど制服にエプロンという格好をしている。 「なんですか、その格好? それとなんで家にいるんですか?」 「一部の人間はこういうのが好きと聞いたわ。あなたは好きではないのかしら?」 先輩は見せつけるようにくるくる回っている。 「別に・・・・・・嫌いじゃないですけど。頭が混乱してそれどころじゃないです」 「そう、それなら良かったわ。朝ごはんは食べるかしら? 一応作ったのだけど」 「その前に・・・・・・なんでここにいるのか教えてくれませんか」 他にも聞きたいことは沢山ある。悪魔のこととか、目的とか。色々だ。 「どうかしら? おいしい?」 テーブルの上には焦げたパンと目玉焼き、そして水分でベチャベチャになってるサラダが置いてある。 「先輩にも苦手なものがあったんですね。凄く不味そうです」 パンと目玉焼きは真っ黒で食いたいとは欠片も思わないし。サラダに関してはどうやったらこんなになるんだ? 皿の底に水溜まりができてるぞ。 「見た目は駄目かもしれないけど食べてみたら美味しいかもしれないじゃない」 「それよりさっきのこと教えてくれませんか?」 「朝食を食べながら話すわ」 火野村先輩が椅子に座った。意地でも食べさせるつもりなのか。 俺も椅子に座ってパンを噛じる。やっぱり不味い。ていうかバターすら塗ってないんだな。 「やっぱり不味いです。他人に食べさせるものじゃないですね」 「あなた、結構毒舌ね。確かに美味しくはないけど・・・・・・そこまで言わなくてもいいじゃない」 先輩は頬を膨らませた。どことなく日向に似ていてムカついてくるな。
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