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契約? 何言ってるんだこの人?
教室に戻る。
「桂木、どうしたんだよ? いきなり教室出てったから驚いたぞ。トイレか?」
男子が話しかけてきた。これといった特徴はない男子だ。俺の唯一の男友達で白泉将生(しらいずみまさき)っていうんだ。運動神経が良くて顔も悪くないんだが、本人の理想が高すぎるせいで彼女ができていない。
「先生に呼ばれたと思ったら呼ばれてなかった」
とりあえず先輩のことは隠しておこう。変に混乱を招く必要はないと思うから。
「馬鹿じゃねぇの。流石にその間違いはねぇよ」
将生が腹を抱えて笑った。こいつの様子を見てるとほんとにあの放送はなかったのか・・・・・・。じゃああの人の言ったことはほんとのことなんだ。
「なあ、悪魔ってどう思う?」
「えっ? ・・・・・・桂木、お前熱でもあるのか?」
将生の手がおでこに当てられる。男にやられても嬉しくない。だから手で払いのける。
「ないよ。今朝ニュースを見てなんとなく興味が出てきたんだ」
「ふーん、珍しいな。桂木は興味ないものは何言っても興味持たないからな」
「いいから教えてくれ。悪魔ってなんだ?」
「俺も詳しくは知らないけど・・・・・・悪魔は魔界って所に住んでるらしい。そこで毎日殺し合いをしてるって話だ」
・・・・・・絶対嘘だ。なんも知らない俺でもわかるレベルの嘘だ。
「そういう冗談はいいから教えてくれ」
「冗談なわけないだろ。ほんとのことだよ。テレビで言ってたからな」
「それは・・・・・・信じられるのか・・・・・・?」
「研究家が言ってたんだから信じられるだろ」
将生が無駄にドヤる。毎日殺し合いか・・・・・・。悪魔だし有り得なくはないのか?
「そんなことより久しぶりにゲーセン行こうぜ。新しいアーケード出たんだぜ」
将生が新しいゲームのことを話してくれる。凄く楽しそうに話していて見てるこっちまで楽しくなる。
「悪いけどさ、家事があるから行けない」
「あっ・・・・・・そうだよな。ごめん」
将生が俺から目を逸らして言った。なんか気まずい・・・・・・。
「そうだ。そういえば将生はなんで悪魔に興味を持ったんだ?」
話を変えたかったんだけどチョイスをミスった。さっき変なことを言われたから頭の中が悪魔のことでいっぱいだ。
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