dodici

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『クリスマス、もうすぐだね!』 窓の外の景色を眺めながら、私の声は弾んでいた。 街には至るところにツリーが立ち並び、イルミネーションがキラキラと輝いている。 クリスマスにはレポートも終わって、二人でデートしようねって約束で。 その約束が、今の私の最大の楽しみだった。 『…………ん』 ぼんやりとした返事が返ってきて、私は窓から肩越しに透さんに視線を移す。 信号待ちで、透さんは眠そうにしきりに目元をこすっていた。 (………ホントに疲れてるんだな……) そんな時に呼び出して、クリスマスなんてはしゃいだ話題を出した自分がつくづく嫌になる。 そう思った私は、大人しく座っていようと心に決めた。 『…………ねぇ、透さん?』 信号が青になってもアクセルを踏まない透さんに、私は恐る恐る声をかけた。 俯いていた透さんは、微かに肩を揺らす。 その時。 後続の車が、パーッと大きなクラクションを鳴らした。 透さんはハッと顔を上げ、次の瞬間アクセルをグッと踏み込んでしまった。  
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