dodici

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それからのことは、正直ハッキリとは覚えていない。 一瞬だったような。 それでいて、スローモーションのようにゆっくりだったような。 雨とか、対向車のライトとか、色んなものが急に視界に入ったかと思うと。 世界がぐるりと一回転した。 直後に走った右足の激痛。 そして。 ──── ましろ……。 透さんの声を感じながら。 私はゆっくりと、闇の中へと引きずりこまれていった。  
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