dodici

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後から聞いた話によると、事故後私は、丸一日眠っていたらしい。 右膝の靭帯を切っていてすぐに手術をしたものの、後遺症が残るかもしれないとのことだった。 ──── そして、透さんは。 内臓の損傷が激しかったらしく、病院に到着した時にはもう、既に息はなかったと教えられた。 透さんが亡くなったと聞かされて意識を失ってから、次に目が覚めた時。 透さんのお通夜が今晩だったと、両親から聞かされた。 私と透さんが付き合っていたことすら知らなかった両親は、何が何だかわからない混乱の中お通夜へ向かい。 ──── そこで、透さんのお母さんから門前払いされたとのことだった。 『………お葬式……行きたい』 泣いて、泣いて、泣き疲れて、でも涙が止まらなくて。 目が開いている間ずっと泣いていた私は、その話をした両親にぼんやりとそう告げた。 お父さんもお母さんも、また困ったように目を見交わせる。  
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