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翌日の昼休み。
ほとんどご飯が喉を通らず、私はそっとお弁当の蓋を閉じた。
ぼんやりと、窓の外に目を向ける。
昨夜の雨が嘘のように、今はスッキリとした青空が広がっていた。
あれから一体、忍くんはどうなったのか。
気になって仕方がないのに、確かめる術がどこにもなかった。
帰宅してすぐに病院に電話してみたけれど、もちろんのこと赤の他人に個人情報を教えてくれるはずもなく。
別れた時に想いを残さないようにと、忍くんの連絡先も全て消去してしまったので、本当に八方塞がりだった。
着歴に本田さんの番号が残っていることに後で気付いたけれど、一度着信を無視しておいてこんな時だけ頼るのも気が引けて、結局かけることが出来ず。
モヤモヤしたまま朝を迎え、午前中もずっとモヤモヤしたまま仕事をしていた。
(忍くん……スゴく痛そうだった……。腫れてるって古川さん言ってたし……。もしホントに将来に影響するぐらい大怪我だったらどうしよう……)
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