tredici

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1ヶ月ぐらい前からって……。 それって、もしかして。 私と別れたのが、原因で? 「──── 真白ちゃん」 言葉を無くして俯いていると。 すぐ横から、本田さんに声をかけられた。 ゆっくりと顔を上げると、本田さんは優しく微笑んだ。 「何があったのか……そろそろ話してくれてもいいんじゃない?」 やんわりとした声色に、私は喉を詰まらせる。 本田さんの顔が、浮かんできた涙でぼんやりと滲み始めた。 「忍にはあんまり掘り下げて聞けねーしさ。……萌がホントのこと言うわけねーし」 「……………」 「萌に何言われたのかわかんねーけど、今の話聞いて、ホントに真白ちゃんの判断正しかったと思う?」 「…………っ」 熱いものが込み上げてきて、私は口元を手で押さえる。 そうして、ふるふると首を横に振った。 すると本田さんはふっと笑みを零し、ポンと柔らかく私の頭に手を乗せた。 「もう一人で抱えなくて大丈夫だよ」 「……………」 「1ヶ月経って、誰かに聞いてもらうぐらいには余裕できたでしょ」 よしよし、と私の頭を撫でながら、本田さんはまるで子供に話しかけるように、そう言ってくれた。  
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