268人が本棚に入れています
本棚に追加
1ヶ月ぐらい前からって……。
それって、もしかして。
私と別れたのが、原因で?
「──── 真白ちゃん」
言葉を無くして俯いていると。
すぐ横から、本田さんに声をかけられた。
ゆっくりと顔を上げると、本田さんは優しく微笑んだ。
「何があったのか……そろそろ話してくれてもいいんじゃない?」
やんわりとした声色に、私は喉を詰まらせる。
本田さんの顔が、浮かんできた涙でぼんやりと滲み始めた。
「忍にはあんまり掘り下げて聞けねーしさ。……萌がホントのこと言うわけねーし」
「……………」
「萌に何言われたのかわかんねーけど、今の話聞いて、ホントに真白ちゃんの判断正しかったと思う?」
「…………っ」
熱いものが込み上げてきて、私は口元を手で押さえる。
そうして、ふるふると首を横に振った。
すると本田さんはふっと笑みを零し、ポンと柔らかく私の頭に手を乗せた。
「もう一人で抱えなくて大丈夫だよ」
「……………」
「1ヶ月経って、誰かに聞いてもらうぐらいには余裕できたでしょ」
よしよし、と私の頭を撫でながら、本田さんはまるで子供に話しかけるように、そう言ってくれた。
最初のコメントを投稿しよう!