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「萌がフロアチーフだから勘違いしちゃったのかもしれないけどさ。あれはちゃんと、アイツが一番下っ端からコツコツ努力してきた結果なんだよ。……まぁ強かなとこあるけど、仕事は真面目にこなしてるからさ」
「……………」
「それに、ホントはアイツ自身が一番忍の成功を望んでるはずなんだよ。……クリスマスのことは意地になって暴走したんだと思うけど……この先も邪魔し続けるってのは、多分真白ちゃんに身を引かせる為の嘘だと思うよ?」
庇っていると思われるのが嫌だったのか、本田さんは少し言葉を選んでいるようだった。
私は涙を拭いながら、コクリと頷く。
「それは……私も昨日そう思いました」
「え?」
「忍くんが怪我した時、古川さん真っ先に言ったんです。『利き腕なのに、ドルチェ作れなくなったらどうするんだ』って」
「…………」
「その時に、古川さん本音はやっぱり忍くんのこと応援してるんだな…って思って。……少し、安心しました」
それを聞いた本田さんは、私を見ながらさっきより少し表情を和らげた。
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