tredici

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「忍の見舞い、行ってやったら?」 窺うように言葉を投げ掛けられて、私はビクリと体を強張らせる。 エプロンの裾を掴む両手が、小刻みに震え始めた。 「真白ちゃんの顔見たら元気出ると思うよ、アイツ」 「…………」 「そんでもっかい、二人でゆっくり話し合ってみなよ」 私はぎゅうっと下唇を噛み締める。 そうできたら、どんなにいいだろうって……思うけど。 ………でも。 「──── 怖いんです。……忍くんの傍にいるのが」 「怖い?」 訝しげに問い返され、私は俯きながら頷いた。 「古川さんに疫病神って言われて……。でも私、それを否定出来なくて」 「………なんで?」 「だって、透さんが……忍くんのお兄さんが亡くなったのは私のせいだし。間接的にそのせいで、お母さんも早くに亡くなられて……忍くんを独りにさせてしまって」 「……………」 「昨日だって、私を助けたりなんかしなければ、忍くんは怪我なんてしなくて済んだのに……」 口にしながら、改めて涙が溢れてくる。  
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