tredici-2

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※※※※※※※ 「…………よし」 生まれて初めて作った手作りチョコのラッピングを終え、私はふうっと大きく息を吐き出した。 今日は、バレンタインデー。 たまたま仕事が休みだった私は、朝からずっとチョコレート作りに勤しんでいた。 余計なことは何も考えず。 ただ、忍くんへの想いを込めて作った。 あれから約、2週間。 忍くんの怪我は治ったのか、もう仕事に復帰しているのか、正直何もわからなかった。 本田さんに聞きたい気持ちもあったけど、聞くとかえって色んな迷いが生じるような気がして、あえて何も情報を耳に入れないようにした。 私のタイミングは、この日なんだ。 そう信じて、今日まで過ごしてきた。 「………応援してね、透さん」 家を出た私は、空を見上げながら思わずそう呟いていた。 新しい恋をしたこと、その相手が忍くんだったことが、今までどこか後ろめたく感じていたけど。 今は透さんも、私のことを見守ってくれているような気がしていた。  
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