tredici-2

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さっきの忍くんの言葉を思い出し、胸がぐっと熱くなる。 私はそっと、服の上から胸元を押さえ込んだ。 「それ聞いて、余計に思ったの。……忍くんを失いたくないって。私もちゃんと、自分の本音伝えなきゃって……」 「……………」 「でも、古川さんの告白聞いたら、頭が真っ白になっちゃって……」 するとハラちゃんは、再び緩くブランコを漕ぎ始めた。 ハラちゃんの吐く白い息が、前へ後ろへと流れていく。 「あとはもう、あんたの勇気次第じゃない? 伝えるか、伝えないか」 「……………」 「ホントに無くしたくないなら、人生で一回ぐらいはガムシャラにならないとダメな時もあるよ?」 私はぼんやりと、ハラちゃんに目を向ける。 「…………ガムシャラ」 「そうよ。ああなったらどうしよう、こうなったらどうしようっていう余計なこと考えずに、ただ気持ちを伝えるだけでいいじゃん」 「……………」 「それでダメだったらダメだった時! その時のことはその時考えればいいのよ」  
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