tredici-2

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前向きな彼女らしい、凄くポジティブな言葉をハラちゃんは笑いながら口にした。 ただ気持ちを、伝えるだけ……。 それだけのことが……ホントになんて難しいんだろう……。 「──── バレンタインじゃ……遅すぎるかな……」 ポツリ、と呟くと。 聞こえなかったのか、ハラちゃんはブランコを漕ぐのをやめて、え?と聞き返してきた。 私は改めてハラちゃんに体ごと向き直る。 「今は忍くんにとって、右手を早く治すことが一番の優先事項だと思うの」 「……………」 「バレンタインならもう、怪我も治ってると思うし。……私も、それまでに気持ちを整理できるって言うか……」 ハラちゃんは黙って私の話を聞いていたけど、やがてふうっと大きな溜め息をついた。 「………それが真白にとってのベストなら、そうしたらいいと思うよ。……でも」 一旦言葉を止めて、ハラちゃんは真面目な面持ちで私の目をじっと見つめた。  
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