tredici-2

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「もしそれが遅すぎたって、後で後悔だけはしないようにね」 「…………」 「言っとくけど、恋愛はタイミングが全てなんだから」 タイミングが全て───。 それはあの日、本田さんにも言われた言葉だった。 あの時はたまたま私がそのタイミングを手にしたけれど。 今回はホントに、どうなるのかわからないんだ。 古川さんの告白が、時期尚早だったのか。 ────それとも。 「………うん。……わかった」 頷いて、私はゆっくりと空を見上げた。 澄んだ空に、クッキリと冬の星座が輝いている。 「後悔しないように、ちゃんと考える」 さっきまではモヤモヤしていた私の気持ちが。 ハラちゃんと話したおかげか、今はこの空のように晴れやかに澄んでいるような気がした。 透さんには伝えたいこと、伝えられずに終わって凄く凄く後悔したから。 今回だけは、絶対に伝えたい。 だって忍くんはこの空の下に生きていて。 私はちゃんと、気持ちを伝えることが出来るんだから──…。  
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