tredici-2

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「メニュー下げに来ただけなのに、嫌な顔見たわ」 吐き捨てるように言われ、私はムッと彼女の顔を見返す。 何か言い返そうと口を開きかけたところで、先に古川さんがそれを遮った。 「楢原さんなら、いませんよ」 「……………」 「ストーカーみたいに待ち伏せされてたら景観が悪いから、消えてください」 淡々と言いながら立て掛けていたメニューを手にした古川さんに、私は堪えきれずに叫んでしまった。 「また、嘘つく気ですか!?」 「──── は?」 古川さんは、冷めた目をこちらに向ける。 それでも怯まずに、私は言葉を続けた。 「あなたの言うことなんか、二度と信じません!」 「……………」 「あなたみたいな人と一緒にいても、忍くんは絶対に幸せになれないわ!」 強く言い切ると、古川さんはスッと身を起こし。 まるでバカにするように目を細めて、私の顔を見据えた。 「………改めて。……私、真白さんのこと大っ嫌いです」  
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