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「メニュー下げに来ただけなのに、嫌な顔見たわ」
吐き捨てるように言われ、私はムッと彼女の顔を見返す。
何か言い返そうと口を開きかけたところで、先に古川さんがそれを遮った。
「楢原さんなら、いませんよ」
「……………」
「ストーカーみたいに待ち伏せされてたら景観が悪いから、消えてください」
淡々と言いながら立て掛けていたメニューを手にした古川さんに、私は堪えきれずに叫んでしまった。
「また、嘘つく気ですか!?」
「──── は?」
古川さんは、冷めた目をこちらに向ける。
それでも怯まずに、私は言葉を続けた。
「あなたの言うことなんか、二度と信じません!」
「……………」
「あなたみたいな人と一緒にいても、忍くんは絶対に幸せになれないわ!」
強く言い切ると、古川さんはスッと身を起こし。
まるでバカにするように目を細めて、私の顔を見据えた。
「………改めて。……私、真白さんのこと大っ嫌いです」
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