tredici-2

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こんなに毒のある言葉を、冷ややかな声で真正面から言われたことがなくて、一瞬言葉に詰まったけれど。 負けじと私も、古川さんの顔を強く睨み返した。 「──── そんなのは、お互い様です」 キッパリと言い返すと、ほんの少しだけ古川さんは意表を衝かれたような顔をした。 けれどすぐに腕を組み直し、ふん、と不遜な笑みを零した。 「へぇ。言うようになったじゃないですか。あの時はただメソメソ泣いてただけだったのに」 「……………」 「………なるほどねぇ」 言いながら古川さんは、私が手にしていたチョコの紙袋をチラッと一瞥する。 「チョコ渡して、楢原さんに再告白しようって訳ですか」 「…………っ」 咄嗟に私は、彼女の視線から隠すようにそれを背後に回した。 すると古川さんはまるで勝ち誇ったように、クスッと微笑んだ。 「一歩遅かったかもですね」 「………え?」 「実は今日このあと、楢原さんから告白の返事貰うことになってるんです」 それを聞いた私は、衝撃で大きく目を見開いた。  
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