淡雪

2/2
21人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
儚い雪のように 肌に触れては消えてゆく 手を伸ばしても掴むことは出来なくて 身体から熱を奪ってゆく 冷え切った体は寒さで震え また熱を欲して誰かを捜す 甘い言葉を囁くのなら せめて最後まで気付かせないで 疑う気持ちごと唇からすべて飲み込んで 雪を溶かすほどの熱で 身体中に貴方の痕跡を残して 独りの夜が孤独ではないのだと 他の誰かに抱かれながら貴方を想う 今日もまた雪が降る 触れては溶ける淡い雪が
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!