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時たま、夕海町内で事件が起きれば関わる機会もある。昔から幽霊は自分と目線が合った者を狙うと噂されているが、あながち間違いではない。死者や逢魔が見えるようになった優香はどうしても、逢魔や逢魔に取り込まれる過程にある魔化に狙われやすかった。元々、おっちょこちょいなところもあったから、狙い安いと思われているのだろうか。その都度、努に助けられている。彼が間に合わない時は、夕海神社の巫女である少女ではなく、見掛けは少女であっても現役の女子大学生、細辻メイに助けられることもあった。
数ヶ月前とは違う非日常が優香にとっての“日常”になりつつあった。
「あはは。優香が努と付き合っているか、どうかはおいといて、実際のところは気にならない?オカルトクラブを立ち上げた者としては」
蓮美は優香の机に腰掛け足を組んで彼女に聞く。蓮美は優香がオカルトクラブを立ち上げようとしているのは知っていた。友人として手助けをしてあげたかったが、個人的なクラブ活動が部活動をして正式に学校に認められる為には様々な手順を踏まなければならない。安易に決めることは難しかった。てっとり、早いのは先生を抱き込むことであるが、手の空いている先生といえば、矢子くらいであるが、彼女がオカルトクラブを受け持ってくれるかどうか、訪ねた時、断られた。
蓮美が優香を手助けできることは少ないが、情報提供をしてあげることぐらいのことはできる。
「臨時の先生が?」
「そう。だって、都合がよすぎるでしょう。夏休み明けに臨時とはいえ、やってくるなんて。とくに、誰かが産休や諸事情で休みという訳でもないのに」
蓮美が疑問を口にする。
大抵、臨時に教職員が雇われるのは人手不足の時である。しかし、夕海高校で誰かが辞めたとか休んだ、もしくは生徒が多くなり人手が足りなくなったなどと話は聞かない。むしろ、数ヶ月前の行方不明の後遺症やトラウマで、行方不明になっていた生徒の大半は復学できずにいる。このような時に、臨時の先生を雇う余裕があるのだろうか。
あまり、気にとめないでいたが蓮美に指摘されると気になってしまう。
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