気まぐれ風神

11/17
前へ
/100ページ
次へ
その人もあたしを見ていたのか、バッチリ目が合った。 この香りは、この人からするものだ。 もしかして、昨日の悪夢の立会人? 「あっ」 二重とも三重とも言える大きなアーモンド型の瞳を丸くしながら、続けて、 「風神さまの呪い……」 と小さく呟いた。 「はぁっ?」 風神さまってなんだ?しかも人の顔見て、呪いってなんだ? 無言の空気が流れると、 「佐尾屋」 と、それこそ救いの神みたいな声がした。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

308人が本棚に入れています
本棚に追加