気まぐれ風神

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「あぁ、益田」 どうやら、友達みたいで、佐尾屋という人はくるりと顔を横に向けた。 「お前、これも拾えないのかよー。腰痛野郎が」 「うるせー。コルセットつけても痛いんだっつうの」 そんな言い合いを尻目に、束にしたプリントを無言で突き出した。早く帰りたい。 なのに、今度は益田という人が目を丸くした。 「あれ……昨日のスカート」 言いかけて、ハッとした顔。中途半端すぎる。あたし、どう反応すればいいんだよ。 あたしはこのお二方に見られたと判断した。
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