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佐尾屋さんの顔に氷がはれるならパリンと割れたに違いない。
あたしは口をパクパクさせるしかなかった。だけど、予想に反して「ははははは」と思い切り、大口を開けて笑った。
なんだ、良かった。冗談だと思ってくれたんだ。
「えへ」
つられて、引き攣りながら笑うと。「すごいこと言うね、あんた」と真顔になった。
「いや、嘘です」
「俺、気持ち悪いとか言われたの初めてなんだけど。なんか、むかつくね」
「む……むかつくって」
「そんなに見られたくなかったら、スカートの丈、くるぶしまで伸ばしたら?お子ちゃまちゃん」
「はっ?」
今度はあたしの眉間にしわが寄る。どんだけ、昔の不良女スタイルをあたしに勧めるんだ。
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