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「まじ、ねみー」
宮子が大あくびをしながら、緩やかなウェーブのかかった髪をかるくかきあげた。
あくびが移りそうだ。
酸素がどうやら足りないらしい。
見えなくても、体は反応するらしくて、面白い。
目の前の信号はまだ赤だ。今はお昼休み。喉が乾いたから、買ったばかりのレモンティーを早く飲みたい。
パッと信号が赤から青に変わった。
そのときだった。
後ろから春いちばんが吹いた。
「うわっ」
と言うと、スカートがふわりと持ちあがる。慌てて、後ろを押えた。
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