気まぐれ風神

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ドキドキしたいと思ったけど、こんな気持ちは必要ないよ。 俯きながら、どうにか足を道路に運んだ。 目の前に人が歩いて来てる。さっきの人だろうか。 恐る恐る顔をあげようとした。だけど直視は出来なかった。 ぎりぎりの視界の中で茶色い髪の毛先と黒いシャツが見えた。 その頭が下に揺れる。ペコリと会釈されたらしく、つられて会釈を返す。だけど、それって、どうなのよ。 御開帳をありがとうってことですか? どういうことですか? 困惑しながらも、分かってる。 あとで絶対、笑うんだろうなって。 誰か分からない人の話のネタになるんだろうなって。 悔しい。呪われてしまえ。なんて思っても無駄だっていう話し。
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