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「さて、帰ろう」
気を取り直した翌日。SHRも終わって鞄を手にした。
「恵麻、ばいばい」
「じゃあな、守口」
宮子は同じクラスの大西と付き合ってる。教室を出るとき、じゃれあう二人にバイバイと手を振られた。
毎日、一緒に帰って本当に仲がいい。飽きないのかな。
あたしは全然、恋をしていないせいか、その感覚がよく分からないのだ。
そう言えば、あたしいつから彼氏がいないっけ。
そうだ。中3のとき付き合ってた人と別れたっきり彼氏がいない。
いつもタイミングが悪い。かっこいいと思う人には彼女がいると決まっていたから。
結局、何もないまま高校生活を謳歌している。
それに、今となっては、この高校の男子なんか見つくしたし。この中での恋は無理だと諦めてる。
別に、恋中心に生きなきゃいけないわけじゃないけど。
慣れてるとは言え、少しは寂しい。こんなこと思っても口に出せるわけがないけど。
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