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そのあとゆう子とヒロは、言葉が見つからず沈黙していた。
そして、意を決したようにゆう子は、ベンチから立ち上がって、浮き上がっていくのであった。
「待って、ゆう子、」
「ダメだよ、待てないよ、このまま幸せな気持ちで行かせて、ヒロ、」
「そう、ゆう子、さようなら~」
「さようならじゃないだろう、もう会えないんだから、バイバイ、」
ゆう子は、どんどん空へと向かっていく。
ヒロは、涙が止まらずいた。
「ゆう子、ゆう子~~」
ゆう子も、泣きながら天に向かっていく。
ヒロは、ゆう子が見えなくなるまで、空を見上げていた。
すると突然、公園に強い風が吹いてくる。
もうすぐ秋の訪れであろうか、砂埃の中をヒロは、公園を出て行く。
ヒロは、歩きながらも、まだ涙が止まらずいる。
「ヒロ、楽しかったよ~」
また、ゆう子の声が聞こえたような気がしていた。
人は、形のないものを『愛』と呼ぶのであろうか。
強い『愛』ほどあなたに届くのであろう。
……………完……………
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