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翌日、
ヒロは、決心して、沙也加ちゃんのお姉さんに電話をする。
迎えに来るように伝えたら、用事を済ませて、夕方ぐらいには此処に来れると言っていた。
ヒロは、ナミに御守りを差し出して。
「沙也加ちゃん、この中に、ボクの住所と電話番号を書いたメモを入れてあるから、困ったことがあったら、いつでも連絡していいからね、」
「ありがとうございます、」
「御守りだから、きっと、沙也加ちゃんを守ってくれると思う。」
「そうなんですか?私を守ってくれますか?」
「うん、絶対守ってくれる。ボクも沙也加を守るからね、」
「嬉しいです。」
「お姉さんが迎えに来るまで時間があるから、一緒に散歩しようか?」
「そうですね、手を繋いで行きましょう、」
ヒロの家から、さほど遠くない公園に、二人は仲良く手を繋いで歩いていく。
公園のベンチにヒロと沙也加は、並んで座る。
話題を探したが、みつからず、お互い無言のまま、遠くの方を眺めていた。
時々、公園で遊んでいる子供達が走り抜けていく。
手は離さないまま、しっかり握っていた。
それから、陽が堕ち出したので、帰ることにした。
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