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ゆう子は、山形に帰って直ぐにサクランボ農園を覗いてみた。
京伍の姿が見当たらない。
いつも、この時間は農園の雑草を取ったりと、作業をしている筈なのに、
何処にも姿が見えない。
気になったので、早乙女家に行ってみた。
庭掃除をしている家政婦さんに聞いてみる。
「京伍さんは、農園に居なかったのですが、どちらに行かれたのでしょうか?」
「東京から帰って、直ぐにお出かけになられました、」
「どちらか、わかりますか?」
「それは、私には存じません、」
「そうですか、ありがとうございます、」
家主のことは、あれこれと詮索しない、家政婦の教育を受けていることに、ゆう子は知らない。
ゆう子は、榮吾にメールした。
10分ぐらいして、榮吾から電話が入る。
「もしもし、ゆう子ちゃん、慌てないで、ボクの方から姉さんに電話してみるから、何かわかったら、又電話するので待ってて、」
「はい、榮吾さん、」
ゆう子は、榮吾の電話を待つことにして、自分の家に帰って行く。
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