成仏?

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そして、土曜日、 今日は、山形に行く日である。 ヒロは、山形新幹線で早乙女家に向かった。 駅でタクシーに乗って聞いてみると直ぐに分かった。 ここでは、早乙女家は有名である。 ヒロは、メイドさんに案内され客間に通されて、ソファーに座っていたら、榮吾がやってくる。 「初めまして、早乙女榮吾です。」 「初めまして、五味宏と申します。」 「ゆう子のお友達と聞いてますが、どんな要件でしょうか?」 「京伍さんは、居られませんか?」 「今は、ここに居ませんが、実は、、」 榮吾は、何かを言おうとして口を閉じる。 ヒロは、京伍が居ないのなら、弟の榮吾でもいいかと思い、バックから漫画の原稿を取り出し、榮吾に渡す。 「何ですか?」 「信じないと思いますが、ゆう子さんが描いた物です。」 榮吾は、訳は後で聞くとして、とにかくその漫画を読んでみた。 その間、ヒロは、メイドさんに出してもらったコーヒーを飲んで、榮吾の様子を見ていた。 ページを捲るごとに驚いた顔を見せる。 どのくらいそうしていただろうか? 時々目頭を押さえていた。 榮吾は、読み終わって、原稿をテーブルに置いて、天井を見上げていた。
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