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その夜。
リビングでテレビを見ていた冬可は、子供の泣き声に腰を浮かせた。
きっとオムツが濡れて気持ち悪いのだろう。
そう思ってベビーベッドの元へ向かおうとする冬可を、無駄にシャープな動きで制する夫。
その口許には
「全て俺に任せな」
と言わんばかりのニヒルな笑み。
そしてその手には、金閣寺…
じゃなくて、金かくし…
でもなくて、おしっこブロックが握られていた。
「ソレ、ずっと持ってたの!?」
という、今年一番の絶叫を何とか飲み込み、颯爽と身を翻す夫の背中を目線で追いかけた冬可であったが、どうにも心が落ち着かない。
大好きなデラックスマツコの番組に後ろ髪を引かれつつも、足早に夫の後を追った冬可が見たもの。
それは…
長男が放つレーザービームが、顔面にクリーンヒットしている夫の姿であった。
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