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メールだけでも、気持ちは救われたのに、
Rirrirrirrirrir♪
今度は、電話をかけてくる金森くん。
「もしもし?あれ?もう昼休み終わりじゃなかと?」
時計を見ると、ちょうどそのくらいの時間だ。
「イヤ、今日は今から用事があって学校サボっとる」
「え、そうなの? 用事って?」
「それは言えん」
「…なんやろ、気になる」
「摘鳴さん!」
「なに?」
電話のむこうの金森くんの声はやけに元気がいい。
「俺は、スッキリして摘鳴さんと付き合いたかと!」
「………意味がわからんよ?」
「今はわからんでもいい、
でも、摘鳴さんが、どうしても俺を好きになれんなら、元彼が、どうしても忘れられんなら、
友達に戻ってもいいと思っとるよ」
金森くんにとっても、とても切ないことなのに、
その声は、本当にハツラツとしていた。
「…金森くん、どうしたと?」
「あ、バス来た!じゃあね!」
「え? バス?………ちょっ………」
ツーツー………
そして、勢いよく電話も切ってしまう。
…なんなんだろ?
家の時計を見ると午後の2時前………。
金森くんは、いったいどこに向かっているんだろう?
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