夏の華

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どのくらいそうしていたんだろう? 真っ暗だった病室に朝陽が射し込み、 夜が明けた事を教えてくれる。 おじさんは、 車椅子のまま、ウトウトとしてしまい、 ハッと起きて、 まだ目を覚まさない我が息子の顔を残念そうに確認していた。 「ちょっと、会社の人間と親戚に電話をかけてくるね。輝子ちゃんも、とりあえず帰るようにしなさい」 「はい………」 そして、 慣れた手つきで一人で車椅子をまわし、 病室から出て、暫くは戻ってこなかった。 きっと、 急変も 回復も、暫くはないのだとふんだようだ。 「龍神………」 やっと、 龍神を独り占めできる。
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