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メイ子はうなずき、
「5階でわたしが大勢いるみたい」
「大勢って、どういうことだ? 同型のロボットか?」
「よくわかんないけど、たぶん」
「それが大勢タイムトリップしてきたのか? なぜそんなことが」
「わかんない。でもとにかく行ってみましょ」
「わかった」
斑鳩メイ子が身も軽く先に階段を駆け上がっていった。そして、505号室から飛び出してきた〝それ〟を見たのだった。
5階通路の手すりの上に仁王立ちし、斑鳩メイ子(オリジナル)は声高く口上をのべる。
「お天道様はごまかせても、わたしのセンサーはごまかせないわ。異常を感じて来てみれば、ニセのわたしがいっぱいなんて。月にかわっておしおきよ」
なにを言っているのだろう……。
ビシッとへんなポーズを決めると、やおら手近なメイ子に飛びかかっていった。
体重をかけて押し倒すと、相手をホールド。動けなくなった相手のうなじに手を回し、二ヵ所のツボを同時に押した。
シャットダウン。
「おまえはもう死んでいる」
どこで覚えたのか、そんなセリフを吐き、オリジナル・メイ子は次のターゲットに突撃した。
群がるメイ子たちのうなじのツボを押していく。
「わたしは量産型とは違うのだよ」
またも中二病的なセリフを言うが、言うだけでなく、その言葉どおり、次々と大量出現したメイ子を機能停止にしていった。
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