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だが多勢に無勢。一人きりでは、すべての〝量産型〟メイ子に対処できない。
オリジナル・メイ子が打ち漏らした 〝量産型〟メイ子の何人かが階段を下る。
「ここはどこ?」
「いまはいつ?」
「わたしはメイ子よ。よろしくね」
「おなかすいたー」
「おかえりなさいませ、ご主人さまー」
わらわらわらと、階段を駆け下りる。
が、四階まで下りる前に行く手を阻まれた。
弾き飛ばされ、踊り場まで後退した。
「ここから先は通さないのだ」
四階の階段に立ちふさがっていたガニガニ・9・ボーテは、先端に鞠の付いた長さ二メートルほどの棒を、まるで長刀のように構えていた。
五階の攻防を制したオリジナル・メイ子が階段を下りてきて、はさみうち。
たちまち残りのメイ子を機能停止にした。
「ふう……」
と、一息つく。
「ブラボー!」
そこへやって来たのは木玉倉狂介だった。手を叩きながら喝采する。
「すばらしい。きみ、ぜひ、我が輩の研究対象になってくれないか」
無遠慮に斑鳩メイ子の手をとった。メイ子の能力を目の当たりにして、大いに興味をひかれたようである。
「この騒ぎの首謀者は、おまえだな」
ガニガニ・9・ボーテが木玉倉を指さした。
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