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自分のスキルがすごく高いことを暗に示しているのがすごくわかった。
「よくできていますね……」
雪実はおそるおそる、斑鳩メイ子そっくりのロボットに近づく。本物の斑鳩メイ子もロボットで、しかも23世紀の未来からやってきていたのだが、マンションの住民には秘密で、もちろん雪実もその事実を知らなかった。
実に精巧にできていて、精巧ゆえ、こんなものを作った意図に、なにかへんな趣味でもあるのかと勘ぐりたくもなる雪実であった。
「そうじゃろ、そうじゃろ。なにしろ本物を3Dカメラで撮って、3Dプリンターで作ったんだからな」
ネタをばらせば、案外安い方法だった。
「ところで、なんでこんなロボットを?」
訊いてくれ、といわんばかりの木玉倉のアピールに誘導されるように、雪実は訊いてしまう。
「よくぞ訊いてくれた。このロボットのオリジナルからは、超空間エネルギーの放出が確認されたのだ。それを再現しようとして、作ったのだ」
だったら斑鳩メイ子に直接頼めばいいのではないかと、ひどく回りくどいやり方をわざわざやっているような気がしたが、もちろん黙っていた。
「そして、超空間エネルギーを増幅させれば時空間転移が可能となるので、これからそれを実証し、新たな発明のデータを集めようというのである」
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