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「???………」
どういうことですかそれ、と詳しい解説を求めようと思ったが、木玉倉のかもしだす独特の雰囲気を察し、わかりやすい説明など望むべくもないとあきらめた。
「それで……?」
その代わり、重ねて質問した。
「つまり、これから時空間転移の実験をしようというのだ」
「で、僕はなにをすればいいんですか?」
もう理解するのを放棄して、半ば投げやりに尋ねた。
「その超空間へロボットを入れる。なにしろ未知の空間だ。どんなアクシデントが起こるかわからない。なので我が輩が直接行くのではなく、ロボットに行かせようというわけなのだ。ロボットにはロープをつけて、回収時にはこれをひっぱるのだ。だが、なにせ力がいる。それをきみに手伝ってもらいたいのだ」
ロボットが作れるくらいなのだから、ロープを巻き取るウインチぐらい作れそうなものなのに……と雪実はつっこみたかったが、やめておいた。
それに僕はそれほど腕力が強いわけではないのに、と口のなかで小さくつぶやく。
「では、ロボ子よ、時空間転移の実験を始めるぞ」
木玉倉は宣言すると、磔にされたニセ斑鳩メイ子にコードでつながれた、1960年代のSF映画にでてきそうなメーターだらけの古風なコントロール装置のスイッチを入れた。
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