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すると、いままでピクリとも動かなかったロボットが、うなだれていた頭を起こし一歩を踏み出して壁から離れた。いかにもロボットというぎこちない歩き方だった。
なにが起こるのだろうかと雪実が見守っていると、リビングの中央に置かれた「ドア」が開いた。
実はさっきからずっと気になっていた「どこでもドア」のような、どこかからはずしてきたかと思われる「どこかのドア」が部屋の真ん中に存在感たっぷりに置かれており、そのドアが開いた向こうに側には、超空間が現れていた。
見ればそこは、背後が宇宙空間のような闇と、きらめく星々のような光の粒によって満たされていた。
「さあ、ロボ子よ、行け!」
ロボ子って……。
「ハイ、博士。行ってきます」
博士って……。
斑鳩メイ子(木玉倉製作)は、腰にくくりつけられたロープを引きずりながら、ドアの向こうへと飛びこんでいった……。
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