物語の始まり

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こいつが、それを狙ってやってるなら逆に俺はそこまで嫌って無い。 無自覚・無意識…思い込みが激しく、周りの事は、自分にとって都合の良いところしか見ない。 そんな屑野郎だから、憎しみが溢れてくる。 昔、俺は剣道部に入っていた。 その時、人数不足ということもあり俺が怪我してしまった為、補欠として部長がこいつに助っ人を頼んだ時がある。 試合の為の人数合わせとして… それなのに、こいつは勝ちやがった。 初めての試合で… こんな馬鹿な事があるか? それからは、試合になると俺の代わりにあいつが出るようになり、俺は剣道部でいないものとされ、辞めざるをえなくなった。 初めて、恋をした。 好きだった相手から告白され舞い上がってたよ。 すげー嬉しかった。幸せという感情が最も感じた時かもしれない。 でもな、それは長く続かなかった。 告白された次の日、その子が不良に襲われてた。 もちろん俺は、その子を助ける為に、初めて自分から不良に飛び込んだ。俺はこいつにその子を連れて離れろと頼んだよ。 それが間違いと気づかずに… ナイフとか出されたから、俺もボロボロになったけど不良はなんとかできたよ…それから、その子が心配ですぐに話しかけたよ。 そしたらなんて言ったと思う? 「聖夜君、ありがとう。あなたが助けてくれなかったらあたし今頃酷い事になってました。」 そして、俺は振られた…彼氏なんかいないことにされた… ショックだったよ… ボロボロの俺を、心配するどころかありがとうもない。ましてや、聖夜が倒したかのように彼女は言い聖夜も否定しない。そして、1日経つこともなく俺は振られたよ。 それから、彼女は他の女と同様に俺を邪険に扱うようになったよ。 いつも、俺の事を親友という癖に、女の子の良いところしか見ないで、俺の言う事よりも女の子の事を信用する。   最初は、俺は諦めなかったさ。でもな、諦めずに続けていく間に俺の心は限界を迎えていったよ。 それから俺は、希望や夢、努力も馬鹿馬鹿しいと思うようになった。 こいつからいつも近づいてくるから、友達だった奴はみんないなくなった。 両親も…俺の存在より聖夜だった… どこにも俺の居場所はない。 全て奪われている。 そして、今日も俺が帰ってるとこいつが勝手に近づいてくる。
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