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「わかるか…お前が何も考えずに乱獲したから、それらの…人間に無害どころか助けとなってくれる生命がこの地域で絶滅してんだよ。
第一…お前が依頼の証拠を一度たりとも持ってこないから、人と金が余計にかかってる。
それとも、その人件費などはお前に請求すればいいのか?」
「でも…僕は…それに皆が…」
勇者は人間の助けとなる生命までも、気がつかず…反論ができないのか、一緒にいた人のせいしようとしているのか…
「次はBの書類だ。」
再び全員に書類が配られる。
「これは、いくつかの村に魔物が襲撃してきた内容の被害を纏めた書類だ。
勇者に王女…わかるか?」
「これは…僕達が依頼を受けたときに、近くだから泊まらせて貰った村だ。
あそこは良いところだったのに…
そんな所を襲うなんて…やっぱり魔物は悪だ。」
王女は書類に載っている魔物の種類や特徴…書類の細部まで見たから気づいたのだろう。
勇者は勇者で全て魔物のせいにしている。
「ああ。そうだな、魔物は確かに人を襲う…
これらの村も不幸に見舞われたな。」
「そうだよ…だから、僕達はこんな不幸を起こさない為に、魔族や魔物を倒さなきゃいけない。
こんな人達をだしちゃいけないんだ。」
「なに…勘違いしてやがる屑」
……えっ……
勇者はやはり、わかっていないのだろう。
おれの言った勘違いという事に首を傾げている。
「これらの村が魔物に襲われたのはお前のせいだって言ってんだよ屑野郎。」
「そんな……なんで僕が…僕は魔物達を操れないし……そうか、僕が魔物を滅ぼさなかったのがいけないんだね。」
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