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「勇者…私は全て記憶しております。
この書類に載っている内容は、私達と一緒にいる時に全てあなたがやった事です。」
妹はやっと勇者の屑さに気がついたのか、勇者の言うことを肯定せずに否定する。
「他にもあるぞ…お前が学園で好き勝手にするから、生徒の学力は上昇しないし、授業なんかまともにできやしない。学園に行くという意味が無くなりかけている。
王女よ…この国の未来を考えているならこの事態はどう考える。」
「…学園に通う者達は、将来この国を担っていく人物…それが疎かになってしまえば、国の武力は落ち、情勢も悪くなってしまう…
なにより…彼らの楽しみを奪ってしまいました。
私は……取り返しのつかない事をしてしまいました。」
妹は、またもとに戻れるだろう。
自分達のやった事を考え、涙を流し…謝罪して済む事でないと心の中で後悔しているからだ…
兄弟だからか…感情が強くなるとわかるみたいだ…恐らく…俺の事も気がついたのだろう。
「なんで…なんでエリスが泣くの…
エリスは優しいから、僕の為に…皆の為にやってただけじゃないか。
彼女は悪い事なんか何もしてない。」
「うるせぇ屑が…これが最後だ。
カーシュ…つれてきてくれ。」
俺はこれだけ言ってもわかろうとしない勇者に威圧で黙らせ、カーシュにあの時の盗賊を連れてこさせた。
「あれ…あなた達はあの時の…
このギルドで働けるようになったの?
そうだよ…僕の言った事をわかってくれたから盗賊なんてやめたんだよね。」
勇者は彼らの顔を見ただけで、その状態…状況など見ずにいったようだ。
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