夜風にあたって

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「なっ…何してるんですか?」 あまりにも驚いて、涙は一瞬で止まってしまった。 「何って…明の方が何なんだよ?訳わかんねー」 「……」 「急に泣いて、急に部屋入って、何なの?何がしたいんだよ?」 「……」 主任の声には戸惑いが宿っていた。 「はぁー…」 何も話さない私を見てか、主任から重たいため息が零れる。 当然だ。急に泣いたかと思ったら意味わからない行動して、私が主任の立場だったら戸惑いを通り越して呆れてしまうかもしれない。 しかし、心は正直だ。自分のことは棚に上げて、主任のため息に少し傷ついてる自分がいた。
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